- Home
- Tortoise Shell
Tortoise Shell
べっ甲とは
カリブ海、インド洋の海域に生息しているウミガメの一種・タイマイの甲羅を加工したもので、古くから櫛やかんざし、帯留めなど工芸品や装飾品の材料として重用されてきました。職人の技術が向上した江戸時代には、メガネフレームの素材としても用いられるようになり、黄に黒褐色の斑点模様や、透明感のある飴色をした独特の色合いや質感が人々を魅了し、贅沢品として取り扱われてきました。
現在ではタイマイの取引がワシントン条約によって制限・禁止されているため、それ以前に国内に残っている材料のみを使用し、製品化されているとても希少価値のある素材です。
素材のこだわり
べっ甲は人間の肌と同じ、主成分がタンパク質である為、肌触りがよく、自然界にあるもので二つとして同じものはない風合い、その繊細な模様と光沢は古くから多くの人々に愛されています。べっ甲は一枚では薄く、何枚か貼り合せることで製品化されています。熱した鉄板にお湯をかけ、水分と温度を適宜に調節しながら、数枚の素材を加圧、貼り合せ、削ぎ、磨き、形を整えるなど多くの工程を経ます。量産品の場合、厚みや硬さに個体差のある複数の甲羅を貼り合わせるため、テンプルは、左右の硬さや肌触りが異なることがあります。
「ル・マレ」と「リッカ」のべっ甲は、量産品と違い、素材に対する深い理解と熟練した職人により、必ず同じ甲羅から切り出し、柄や左右の肌触り、硬さのバランスなどを考えながら、見栄えよく貼り合せ、素材の魅力を最大限に生かしています。一本一本手作りのため、同じものが二つとして存在しません。
コーティング
メガネを末永くお使い頂くために、職人の手により一本一本丁寧にアレルギーフリーのクリアコーティングを何層も施しています。べっ甲は乾燥をとても嫌い、使用中の汗や整髪料の付着によって劣化します。コーティングを施すことで汚れや傷などを防ぎ、長期間の使用が可能となります。また、コーティングが劣化した場合は、再コート修理を行うことで自然の風合いが蘇ります。べっ甲の美しい風合いを肌で感じながら、末永くお使いいただくための工夫がされています。
デザインの可能性
べっ甲というと着物やかんざしなど「和」の印象を持つのではないでしょうか。
しかし、「ルマレ」と「リッカ」のデザインは、伝統技法を生かしながら現代のライフスタイルに合わせたべっ甲フレームの新しいデザインスタイルを提案しています。
例えば、並甲をベースに、一番外側にバラ甲や銘木・マカバ・ウッドを貼り合わせ、鮮やかなカラーリングを施したり、異なる模様のバラ甲を張り合わせ、矢絣紋のような美しい模様をデザインしたり、素材へのこだわりやクオリティにデザインをプラスしています。